ディーゼルテレコン(ウェストタイプテレコン)
ディーゼルテレコン(DL telecon)は、ディーゼル機関車を無線で遠隔操縦する装置です。特定小電力無線とサイクリックディジタル伝送方式の採用により、悪い電波環境でも正確な無線伝送が可能です。運転者の安全と作業効率の向上に貢献するシステムとして活躍します。
ディーゼルテレコンの特徴
ディーゼルテレコンは、防塵・防水機能(IP65)を実現しています。屋外での使用や、水を使用した作業現場での使用が可能です。また、鉄粉やほこりが舞い上がるような作業現場でも粉塵が制御器内部に侵入することなく作業ができ、使用環境の幅も広がっています。
送信機から送られた無線データを受信装置が受信するときに、受信装置に個別に与えられた固有識別番号(アドレス)を確認するアドレス照合や、無線データに伝送データの誤り検出機能をもたせることにより、受信データに誤りがないかを判断する機能を有しています。この様なデジタル伝送特有の検出方法により、必要な信号以外はすべてシャットアウトして信頼性を高めています。
制御器からの無線信号を受けとる受信装置は、高い安全性を有するハイパーテレコンの受信装置と同じ機能をもち、車両に設置することを考慮したDC24V駆動です。
ディーゼルテレコンのこだわり
押釦スイッチ・ロータリーハンドルスイッチ
・操作スイッチは磁気に影響のないばね材を使用した、高信頼性マイクロスイッチを用い、100万回以上の寿命を確保
・ロータリーハンドルスイッチは光を利用した非接触スイッチですので、接点不良がなく、安定した操作に貢献します。
操作回路
・相反する操作を同時に行った時は、2つとも出力しないようにしている
・1つの操作スイッチに対し、操作した時にオンとなる信号と、操作しない時にオンになる信号(ゼロ信号)を用意し、万一二つの信号を同時に受信したときは出力を切るようにしている安全設計
メンテナンス
・各ユニットに自己診断表示灯が付き、故障の際もユニット交換で簡単復旧
・モニタユニットを使用することで、制御器から送られてきた操作信号、受信装置の出力信号、電波状態、無線伝送エラーなどをメモリカードに記録することが可能
・無線の特性を生かしたATOと連動し、機関車の定速度運転ができる
ディーゼルテレコンの無線化実績例
ディーゼル機関車、ゴンドラ
ディーゼルテレコン 製品仕様
品 名 | 項 目 | 内 容 |
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制御器 KC3512A/B KC3515A/B |
信号入力仕様 | 操作点数 最大24点 |
電源 | 内蔵型Ni-MH電池 4.8V 1000mAh | |
連続使用時間 | 満充電時:8時間以上 (電池の状態、気温などの使用条件によって異なります) |
|
保護等級 | IP65(防塵・防水) | |
使用温度、湿度 | -10℃~+60℃、90%RH以下(結露なきこと) | |
外形寸法 | 約W263×H152×D92mm (スイッチ等突起部を除く) | |
質 量 | 約1.8kg | |
受信装置 KC2512A/B KC2515A/B |
信号出力仕様 | 無電圧リレー接点出力 DC24V 1A 誘導負荷 |
電源 | DC24V | |
消費電力 | 100W以下 | |
保護等級 | IP40 | |
使用温度、湿度 | -10℃~+60℃、90%RH以下(結露なきこと) | |
外形寸法 | 約 W 360×H 500×D215mm (突起部含まず) | |
質 量 | 約20kg |
形名 | KC8512A/B (KC3512A/B+KC2512A/B) |
KC8515A/B (KC3515A/B+KC2515A/B) |
無線局規格 | ARIB STD-T67 | ARIB STD-T67 |
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無線局種別 | 429MHz帯 特定小電力無線局 |
1200MHz帯 特定小電力無線局 |
無線周波数 | 429.2500~429.7375MHz | 1216.0375~1216.5000MHz 1252.0375~1252.5000MHz |
チャネル数 | 40チャネル | 38チャネル インタリーブ: 20チャネル |
送信出力(MAX) | 10mW | 10mW |
通達距離 | 約300m | 約300m |