産業用無線リモコン(テレコン)の開発・製造体制
金陵電機のテレコンは、現場の声の収集から個別設計、各種評価試験、国内製造までを一貫して行います。 「過酷な現場で、安定して動くこと」を前提に、品質と安全性を継続的に改善しています。
1. 要望を聞く(現場の声を設計へ)
当社製品をご使用中のお客様から、操作性・安全性・耐久性だけでなく、保守性や取付施工の容易性まで含めて 困りごとや改善要望を積極的に伺い、設計へ反映しています。
- 営業活動の中で、使用感・改善点・現場条件を継続的に収集
- 設計者が現場へ伺い、実際の操作・保守の観点から課題を確認
- 修理返却品を分析し、故障箇所・傾向を把握して改善へ活用
2. 個別対応(カスタマイズ設計)
購入後に簡単な設定で使用できる標準商品(例:ハンディテレコン)に加え、 事前打合せを行い、お客様の設備・安全要件・運用に合わせてカスタマイズできる個別対応商品(例:ハイパーテレコン)があります。
個別対応で行う代表的な設計項目
- 無線電波の調査・管理: 電波干渉やノイズ対策を含む電波調査を行い、周波数選定や無線割り付けを提案します。
- 操作部(スイッチ配置・操作性): 設備の特徴、安全要件、オペレーターの熟練度、過去のヒヤリハットなどを踏まえ、操作パネルを個別に検討します。
- 受信装置の安全回路(リレー・インターロック): 受信電波を設備へ出力する前段で、必要な安全回路を個別設計し、その設備に合わせた仕様を構築します。
さらに、標準ラインナップでは対応が難しい場合でも、お客様限定のコントローラーを設計開発して提供することがあります。
3. 新規設計(新機種として開発)
改善や工夫だけでは対応しきれない要望が増えてきた場合は、新機種として設計し、 お客様のご要望に沿った新製品の開発を行います。
4. 産業用無線に求められる評価試験
テレコン装置は、工場などのノイズ環境下でも安定して動作することが求められます。 そのため、開発時および出荷前に、さまざまな試験・検査を実施しています。
工場や建設現場では、クレーン、溶接機械、大型機械などの動作により多くのノイズが発生します。 また、屋外で使用される高出力の無線機器が与える影響も無視できません。 こうした環境でも正常に動作できるよう、設計・評価を行い、産業用無線としての要求に応えています。
さらに、皮手袋を着用した長時間操作など、産業機器特有の使用状況も想定し、 これまでに培ったノウハウを設計に反映しています。
静電気試験(EMC・イミュニティ試験)
製品に静電気を放電させ、要求仕様を満足し、かつ動作に異常がないことを検証します。
- 周囲ノイズの影響を考慮し、耐静電気・耐伝導妨害・耐サージ・耐電圧変動などを評価
- 安定動作と安全性の確保を目的に、イミュニティ試験を実施
放射無線周波電磁界イミュニティ試験
製品に妨害波(垂直偏波・水平偏波の電磁界)を印加し、 要求仕様を満足し、かつ動作に異常がないことを検証します。
振動・落下衝撃試験
製品に振動や落下衝撃を加え、要求仕様を満足していること、および動作に異常がないことを検証します。
- 温湿度環境試験(高温高湿、冷熱衝撃など)
- 機械環境(振動、衝撃、落下など)
- 屋外環境(耐水性など)
耐久試験(繰り返し操作試験)
押釦部またはハンドルに規定の力で繰り返し操作を行い、要求仕様の検証および耐久性を確認します。
この他にも、マイクロスコープによる形状解析(はんだ付け、接点構造など)や、 ハイスピードカメラによる落下メカニズム解析などの試験設備を保有し、 各種試験を通じて品質向上に努めています。
また、金陵電機(株)では、 一般社団法人 電波産業会(ARIB) に参加し、産業用無線の活用に関する知見の更新にも取り組んでいます。
5. 製造(国内一貫・品質管理)
テレコン装置は、電気基板、電源ユニット、筐体の生産をはじめ、組立・検査まで すべて国内で行う純国産製品です。 組立・検査を行う生産工場は、ISO9001認証の品質マネジメント体制のもと、 厳しい品質管理で日々生産しています。 設計・評価・製造を国内で一貫して行うことで、開発で得られた知見を迅速に反映し、 品質の安定化と継続的な改善につなげています。