共吊りテレコン:クレーン2台の共吊りにおける、連動トラブルの対策と導入事例
標準的なテレコン装置は、制御器(リモコン)1台+受信装置1台のセットで使用します。 しかし現場によっては、制御器1台で2台のクレーンを同期運転したり、操作対象を切替えて運転するなど、 特殊運転が必要になります。
このページで分かること
- 共吊りで起きやすい「片側停止」リスクの考え方
- 同期運転で必要な“相互確認”の設計ポイント
- 共吊り⇔単独の切替誤操作を減らすUI(スイッチ)対策
- 導入事例:調査→提案→実施の流れ
当社への問い合わせ内容
クレーン2台を使って共吊りしているが、共吊り操作時に片方のクレーンだけが動かずに吊り荷が落下するトラブルがあった。
無線システムを用いて安全に2台のクレーンを操作できないか。
設備の問題点
調査の結果、以下の2点の問題点が判明しました。
- 共吊り中に片側だけが通信・回路不具合を起こすと、共吊りとして動作しなくなる事象が起こり得るため対策が必須。 しかし当該設備には、片側が動作しない場合にもう片側を停止させる機能が備わっていませんでした。
- 当該制御器は1ボタンで共吊りモード→単独動作モードに切り替わる仕様で、周囲には同様の形状の操作ボタンが配置。 そのため、タイミングによって誤接触し、単独動作モードに切り替わった可能性があります。
提案と実施内容
① 同期システムの構築(固定型テレコン)
2台のクレーンの同期システムを構築しました。共吊り操作時には両クレーンに異常が無いこと、同一の指示を受けていることを互いに確認してから動作します。
一方にのみ指示があった場合はエラーとみなし動作しません。もちろん共吊りを解除し、単独で操作することも可能です。
② 切替誤操作の防止(ロータリースイッチ化)
連動と単動の切り替えが明確にわかるようにロータリースイッチに切り替え、誤操作を防止しました。
共吊りなどの機能切替は、複数ボタン同時操作にする/周囲と異なるスイッチ形状にする等で誤操作を減らせます。
片側停止リスクに対策
相互確認で“両側OK”を条件に動作。
誤操作を潰すUI
共吊り⇔単独の切替を明確化。
運用も含めて安全化
現場ルールとシステムをセットで設計。
共吊りテレコン システム概要
車輌、鋼管、レールなどの長尺物を、2台のクレーンで運搬する(共吊り運転/相吊り運転)ためのテレコンシステムです。
制御器1台と受信装置2台でクレーンを操作し、さらに据え付け型の双方向無線機で同期を取ります。
2台のクレーンを無線で「同期運転」させるため、安全に動作させることができます。
1人で2台を運転
2台のクレーンを1人の作業者で運転できます。
直視で能率向上
動きを直視しながら作業でき、能率が向上します。
同期で安全性
同期確認を条件に動作させ、片側だけの動作を防止します。
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